『実写版銀魂』を観てきた話

前回の投稿を読んでくれた方、ありがとうございました。
やっと実写版銀魂を観に行くことができたので、個人的な感想をまとめたい。

まずはじめに、この記事について。

これら2つについて、ネタバレや批判的な内容が含まれることになると思われる。
それを許せない方は閲覧しないことを推奨したい。
ただし、自分としては他者の意見や感情を否定するつもりはないことも、ここに併記しておく。

 

 

(1)総評

まず結論から書く。
単刀直入に言って、つまらない映画だった。
が、よかったと思う。

 

(2)箇条書きの感想

  • 銀さん、また子、桂は良かった。特にまた子。
  • あとまあ新八も。全力だった。
  • 神楽は可愛かったね。色々とここまでやらせるか、と思ったし頑張ってる感は伝わった。まあ可愛かっただけだったけど。良かったと思います。
  • 真選組はいまいち。沖田は割とマシだったけど。
  • まあそもそも原作を考えたら真選組があそこまで出てるだけお得くらいに思っといた方が吉か。
  • 二次創作だと思っていたが三次創作だったかな。アニメをベースにしてることはよく分かった。 
  • 流石に『勇者ヨシヒコ』すぎる。あそこまでいくと『勇者ヨシヒコ風銀魂』とでも名付けてほしかった。
  • 個人的に『勇者ヨシヒコ』シリーズは大好きだが『銀魂』を観に行ったのにヨシヒコを見せられてもなーと冷めてしまった。
  • ムロツヨシは比較的好きな方だが、やはりビジュアルが源外としては若すぎた。あとやっぱりヨシヒコすぎた。
  • 佐藤二朗は比較的好きな方だが、演技がヨシヒコすぎた。冷めた。
  • やはり監督が福田雄一なので、制作にあたってヨシヒコっぽさを求められたのだろうか。世間でも求められていたものだったのかどうかが気になる。
  • 私は、銀魂を観たかった。
  • 銀時の戦い方が剣術してないのが良かった。
  • 前後するけど似蔵も良かったと思います。演技はアニメに寄せているのかな。
  • 神楽や新八もアニメを参考にしたのかなあ、という印象を受けた。
  • その点で銀時は『小栗旬坂田銀時』にきっちり落とし込めていると思えた。よい。そういう意味ではとても素晴らしい。
  • また子もきっちり作ってきてて個人的には本当に好印象だった。
  • 高杉の生足
  • 終盤、銀時と高杉の殴り合いのシーンは今回必要だったんだろうか。そこを挿入するよりも、カットしない方が良かったシーンがあったのではないか。
  • 何でもぶっちゃける、ボケるのが銀魂なんだと思い込みをしてやしないかこれは。
  • 高杉の衣装は良かったが、真選組の衣装はやはり気になったな。銀さんも動けば衣装は気にならないのかと思っていたが、個人的には微妙だった。
  • ボケツッコミを意識しすぎて、ぶれてしまったのかなという印象。大事な芯がないというか。そういうのどこいった。
  • ある意味で鉄矢と鉄子がずっと別世界で置いてけぼりみたいになってた。
  • 戦ってるそばで普通に喋ってるのシュールだった。
  • 似蔵の最期がなあ。むしろあそこをもう少しじっくりやって欲しかった。そうでないせいで銀時の『光』のくだりもうやむや。話が軽いというか。
  • うーん。
  • つまんなかった。
  • 銀魂ではなかったな。
  • 銀魂を知らない人、知っているがあんまりディープでない人の感想が聞きたい。

(3)総評の補足

今これを書いているのは映画を観終わった直後である。映画館内にある喫茶で打っている。
その勢いのままに(2)を羅列したが、まあ一通り箇条書きしてみても総評としてはやはり『つまらなかったが、よかったと思う』である。
この理由について、簡潔に補足をするとこうなる。

映画としてはつまらなかったが、いわゆる実写版としてはよかった方だと思う。

これ以上の言葉は、ない。

自分は前記事でも書いた通り『銀魂』という作品に対しての入れ込みが強い方だと自覚している。極論だが、空知先生が描いていない銀魂銀魂だと思っていない。

awakenmedusa.hatenablog.com

この『認識の狭さ』をよく知っている友人に「実写版観れないんだと思ってた」とコメントを受けたが、むしろ逆である。 
 アニメだろうが実写だろうが、原作者が描いていない時点で単なる『公式に認められている二次創作』だと思っている。
なので、今回の実写版映画銀魂についても、二次創作と思えばまあ別に見ることはできた。ところがどっこい、思ったより三次創作っぽかった訳だが。

まあ原作でない以上、同じである。

元々自分は今回の実写版を観たところで『銀魂』と認識できないだろうなあ、と予想していた。
実際に観てみた今「銀魂ではなかったな」という感想を抱いている。銀魂ぜんぶ読み返したい。
我ながら前記事に書いた予想通りの結果である。

そもそも、空知英秋先生のあのコメントがなければ観に行こうとは一度でも思えなかっただろう。*1
おまけに、周囲は皆わざと黙しているような気がして、違和感つまり地雷臭が凄まじかった。
それでも空知英秋先生の銀魂が好きで、だいすきで、もう人生みたいなもんで、銀魂がない人生ってきっと自分ではないとわかっている。
だから私は実写版銀魂を観に行った。

ところで、あの映画は一体だれ向けなんだろうという疑念が拭えない。
基本的に、私はあらゆるメディアミックスを否定しない。
それをきっかけにして原作を好きになってくれる新たなファンがいればいいと思うからだ。
果たしてあの映画だけを観て、原作を読んで、好きになってくれるだろうか。

あえてここで、記事を締めたい。

(4)完全な蛇足

今回映画鑑賞中、最低でも5回程度は座席を蹴られた。
何度か後ろを振り向いたが、どうやら足を組んでいるようだった。
その足を組みかえる際に、私の座席にあたって揺れていたのだろう。
あれは大変不快であり映画に対する集中も切れるので、ぜひともやめていただきたい。

なお映画鑑賞直後、本人に注意したが無言だった。
許せないので、今度紐靴をはいたときに延々紐がほどける呪いをかけておく。

 

(明らかに自分が悪いと分かる注意されたらせめて素直に謝罪くらいしような。)
(上映中に会話してる人もいたけど、アレ案外目立つし邪魔だからやめような。)
(自分も気をつけよう。)

(アー!銀魂ぜんぶ読み返したいわ〜!)

*1:個人的な話だが、自分は薄給であるし時間もない方なので簡単に映画観よ!とはならない。金と時間というコストを支払うのであれば、対価としてそれなりのモノは得たい。

『銀魂』の再認識の話

まずはじめに、この記事について。

これら2つについて、批判的な表現が含まれることになるかも、しれない。
それを許せない方は閲覧しないことを推奨したい。
ただし、自分としては他者の意見や感情を否定する意図は
全くもって存在しないことも併記しておきたい。

 

あくまで個人的な自分用のメモとして、銀魂という作品の長年の1ファンとして、
実写版を観る前のこの心持ちを書き記しておく。

 

 

まず大前提

大前提として、私は銀魂という作品の1ファンである。
年数で愛は決まらないので主張するのはあまり好きではないが、
記憶が正しければ13年ほどファンをやっている。時の流れは早い。

 

ジャンプフェスタアニメツアーで初めてアニメーションになることが判明したとき、
そしてDVDを手に入れたときの感情の高ぶりは、今でも思い出せるし胸が熱くなる。 

 

だがその上で私は、基本的にアニメ版銀魂を視聴していない。
実写版銀魂についても最初、観る気はなかった。理由はシンプル。
私は、空知英秋先生の描く銀魂という作品のファンだからである。 

 

(1)アニメ版を視聴していない理由

しょうもない話かもしれないが、未だに配色が受け入れられていない。
イラスト的な表現ならまだしも、銀さんや沖田の目の色が赤茶色だったり、
高杉もそうだが、まあとにかく当時原作では一度もそんな色で塗られてないよね?
という色ばかりで、ひどく抵抗感を覚えたことを記憶している。

当時はカラーが判明していないキャラも多かった関係もあるだろう。
またアニメという都合上ある程度は許容したかったが、現在も苦手である。

そして脚本によってはオリジナル要素が強すぎて、
原作の作風を逸脱しているものも多くあった。個人的にはそう感じた。
これもストックやアニメの尺の都合等あるため仕方ないとは思うが、
アニメを放送していない地域から放送している地域に転居しても
視聴する気になれなかった理由となった。

これに付随して、派生グッズやぬいぐるみ等も苦手を極めている。
私はあれらを銀魂だと認識することができない。

 

(2)実写版を観たくなかった理由

この件が発表された当時、正直あまり嬉しくはなかった。
まず(1)で簡単に記した通り、私はそもそもアニメですら受け入れられない程度には
原作しか愛せない狭量である。こじらせている自覚はあるが事実なので仕方ない。

そしてそもそも銀魂に限らず、あらゆる作品のメディアミックスは
あくまで公認の二次創作であると認識している。
そんな私が実写版を受け入れられないことは、自明の理。

どんどん情報が解禁され盛り上がっていくTwitterのTLは正直しんどかった。
ただ、多くの別ジャンルのフォロワーが実写版の情報をRTしたり話題にしていて、
同じ銀魂ファンが見つからない、連載初期のあの頃とは違うことを実感して
しみじみと心から嬉しくもあった。

ちなみに私は『勇者ヨシヒコ』1話からの大ファンであり、
周囲にも勧めまくった過去がある。つい先日もめっちゃ見てました。
だから監督はむしろ嬉しかったし、演者も豪華だとは思った。

それでも、複雑な心持ちでいた。

 

(3)実写版を観ようと思った理由

そんな割り切れぬ心境の中、空知英秋先生のコメントが公開された。
あのコメントを見て、実写版を観る気になったファンは私の他にもいただろうと想像する。
少なくとも、私の周囲の一桁後半〜二桁年数銀魂ファン複数からそういう意見を聞いた。



個人的な話だが、私にとっては、原作と、原作者がすべてである。
その原作者である空知英秋先生がそう仰るのであれば、
腹を括って受け止めるしかあるめーよ。そう思った。
それまでごちゃごちゃと絡まり合っていた感情は、ばっさり落ちた。

そして実写版銀魂の公開。


まだ少ししか経っていないが、私のTwtterのTLは実写版の話題で持ちきりとなり、
改めて銀魂という作品が大きくなったことを再度実感した。
試写会に行った、実写観に行く、観に行った、楽しかった、面白かった。
そんなツイートをたくさん見かけた。
銀魂を好きな人がいる。嬉しかった。

だが不思議なことに、批判的な感想を全く見かけなかった。
無論、批判をすべきだとは思っていないが、違和感を覚える程度には
肯定的な意見『しか』見かけなかった。
本来いろいろな意見や感想があって然るべきだろうに、なぜ?

単純に私のTLに大人な方が多いであろうことも関係しているだろうが、
それにしても不自然なほど、沈黙している人が多い気がしていた。
そして見かけたのが以下の記事である。

なお記事には実写版ネタバレが含まれている。
 

hoihoichang.hatenablog.com

 

上記内容を書かれた方が、私が今書いているこの記事を読んでいるとは思わないが、
私はこの場を借りてこの方に感謝をしたいと思っている。ありがとうございました。
肯定的な意見ばかり目につく中、この記事を書かれたあなたを素晴らしいと思います。

前述の通り、空知先生のコメントを拝読して腹を括った私ではあるが、
冒頭でも少し触れてある通り、まだ実写版を見ていない。

これは単に現在進行している原稿が終われば観に行こうと決めているためだが、
心底情けない話、たかだかこの数日間で覚えた違和感により
決めたはずの覚悟が揺らいでいる部分もあった。
揺らいだままでも決めた以上はとにかく原稿さえ終わったら観に行くのだが、
実写版をまだ観ていない今、読めてよかったと思えた投稿だった。*1

 

間違いなく自分は実写版を見て銀魂だとは認識できないだろうが、
実写版を観て帰宅したら、きっと単行本を全部読み返して、
銀魂って最高だなあ!と再認識できる自信がある。*2

 

最初に記した通りに、私は別段アニメ版や実写版を楽しんでいる方を
批判したり否定する気はさらさらない。それはそれで、楽しめる人が楽しめばいい。
むしろメディアミックスをきっかけにでもいいから、原作を読んでくれれば、
銀魂という作品を親しんでくれればこれ以上のことはない。
自分の好きな作品を好きになってくれる人が増えればこれほど嬉しいことはないのだ。

 

 

(もっと、いろいろな意見や感想があっていいと思うよ。)

(原稿が終わって実写版を観たら、またブログを書くかもしれない。)

 

 

*1:完全な蛇足だが、私はWJ等雑誌の入荷が遅れることがある地域出身のせいなのかネタバレ歓迎派である。

*2:とか書いているが、しょっちゅうやっている。